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最近あまり見ませんね、「忠臣蔵」

18世紀初頭の元禄15年12月14日の深夜に、赤穂浪士が吉良上野介の屋敷に討ち入った赤穂事件を題材に、1748年に大阪で初演された人形浄瑠璃「仮名手本忠臣蔵」の通称が「忠臣蔵」です。

歌舞伎や演劇・映画・ドラマなどで、江戸時代から現代に至るまで、繰り返し作られてきた史実に基づいた「フィクション」です。

かつては、映画会社やテレビ局の何周年記念作品や、会社の調子が良い時の特別作品として「忠臣蔵」が作られてきました。

最近「忠臣蔵」を見かけないなと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実は「忠臣蔵」の制作には大変なお金と技術が必要です。

「忠臣蔵」は大きな見せ場だけで六つありますが、それぞれ屋内が主な舞台で、セットを作る必要があります。

「松の廊下」では長い廊下で襖に大きな松が描かれています。「大評定」の広間は赤穂藩士全員が入るスペースが必要です。祇園で大石内蔵助が遊ぶ「東下り」の宿に、瑤泉院の屋敷。さらに討ち入りで使う吉良邸のセットも、大掛かりなアクションを撮るだけの規模が必要になります。

それぞれのセットが1回しか使えず、1シーンだけの為に大掛かりなセットを作らなければならない訳です。

沢山お金がかかる上に、スタッフの技術力も問われることになります。

最近テレビや映画で「忠臣蔵」を見かけないのは、テレビ局や映画界に、作るだけの体力がない事も原因の一つかもしれませんね。

それでも、年の瀬の風物詩である「忠臣蔵」ですから、少し寂しい気がします。