ロシアがウクライナ国境に10万人以上の軍隊を配備し、軍事侵攻の緊張感が高まっています。
背景に何があるのでしょうか?
■歴史的背景・・・ウクライナは中世の「キエフ・ルーシー公国」の流れをくむ「兄弟国」であり、「小ロシア」であるという認識がロシア側にある。
■地政学的背景・・・現在は、欧米とロシアの緩衝地帯となっています。
東アジアのプレゼンスは中国の台頭で失ったロシアは東欧のプレゼンスまで失うわけにはいかない。失えば、政権が国内の基盤まで失うというロシア側の事情があります。
■経済的背景・・・ロシアはGDPの12%をエネルギー関連の資源大国です。原油を高値に維持することにインセンティブがあります。よって、地政学リスクを高めておくことがロシアにとって原油価格維持に貢献することになります。
■要求・・・今回ロシアが欧米に突き付けている要求は3つあります。
①NATO拡大の停止、ウクライナを加盟させない
②1997年以降NATOが東欧に配備した部隊・兵器の撤去
③ミサイル配備や軍事演習の制限
■ウクライナ世論・・・2014年のロシアによるクリミア半島侵攻以来、ロシアの支配を嫌う機運が高まっています。一方で、ロシアの世論はクリミア侵攻の時ほど熱狂的ではないとの見方があります。
■侵攻のきっかけ・・・「有毒ガス漏洩事件」やウクライナとロシアの艦船の接触、自作自演の偽旗作戦などをきっかけにして侵攻を始めるのではないかとの噂も絶えません。
ロシア軍が軍隊の撤退を始めたという声明を出したというニュースも入ってきていますが、アメリカは真偽を確認できないとしています。
ロシアと中国の二国と領土問題をもつ日本にとっても、ウクライナ問題は決して他人事ではないでしょう。