23日、知床の「カシュニの滝」付近の海上で、観光船「KAZU1」が遭難しました。
27日現在も海上保安庁を中心に、行方不明者の捜索が懸命に行われています。
■問題視される単独出港
事故のあった23日は、出港地のウトロ港こそ穏やかだったものの、観光船のコースは荒天が予想されていました。天気図や、経験から高波が予測されたため、他の運行会社は出港を見合わせ、漁船も港に戻っていました。
その様な中、単独で出港した「KAZU1」と、運行会社「知床遊覧船」に批判の声が上がっています。
■運行会社の杜撰な経営
事故から日を追うにつれ、運行会社「知床遊覧船」の杜撰な経営が明らかになってきました。
事故当日、会社の無線アンテナは壊れていて使用できず、事故時「KAZU1」の船長と交信したのは、ほかの運行会社でした。
また、事故2日前の21日に海上保安庁による定期安全点検で、洋上での位置などを確認する「GPSプロッター」と呼ばれる機器が「KAZU1」から取り外されており、海上保安庁が指導していたことも分かりました。
「GPSプロッター」は「船のカーナビ」とされる機器で、自船の位置や海図、水深を把握できる等深線などがモニターに表示されます。搭載は義務ではないものの、昨年6月に座礁事故を起こしている「KAZU1」は海上保安庁から搭載を指導されていました。
■社長の記者会見
こうした中遅ればせながら、「知床遊覧船」の社長による記者会見が、27日午後に行われる予定となりました。社長がどう説明し、家族の疑問点に答えるのかが注目されます。