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「ペットボトル症候群」とは

連日、猛烈な暑さで熱中症とみられる搬送者が増えています。

危険な暑さを乗り切り、熱中症予防に欠かさないのが水分補給です。しかし、気を付けないと思わぬ健康障害につながることもあります。

40代のある女性は、スポーツドリンクを1日4~6リットル飲んでいました。そのような生活を3か月ほど続けていたところ、体に異変が。
吐き気と、頻尿、ひどい喉が渇き、さらに腹痛が重なり救急車で病院に運ばれました。
そこで診断されたのが、「糖尿病」でした。

彼女のからだに起きていたことを、通称「ペットボトル症候群」といいます。糖分を多く含む飲み物などを大量に摂取し続けることで起こる急性の糖尿病です。

東邦大学医療センター大森病院の弘世貴久教授は「こんなことになっているとは、検査するまでつゆほども思わなかった人が多い。そこが怖いところ」と言います。

糖分をとると、血液中のブドウ糖の濃度=血糖値が上昇。すると、腎臓からインスリンが分泌され、ブドウ糖は細胞に取り込まれます。
しかし、糖分を大量にとり続けて高血糖の状態が続くと、インシュリンの分泌量や働きが悪くなり、糖が血液中に残ったままになります。
それを体外に出すために尿の回数が増えて脱水状態に。喉が渇いてさらに糖分を含んだ飲み物を飲み続ける悪循環に陥ってします。

熱中症対策で水分補給は不可欠ですが、飲み物に糖分が入っている甘い飲み物はなるべく避けたほうがよいでしょう。