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原発事故から12年。浪江町の現在。

東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故から12年が経ちました。
浪江町はこの事故で、一時町全域に避難指示が出され、面積のおよそ8割が帰還困難区域になっていました。

この帰還困難区域のうち、国が先行して除染などを進めてきた「特定復興再生拠点区域」の避難指示が、今月31日に解除される見通しになりました。

この帰還困難区域のおよそ4%にあたる室原、末森、津島、大堀の4つの地区の「特定復興再生拠点区域」あわせて6.61平方キロメートルについて、国と県および町は今月1日協議を行い、放射線量が十分に低くなっているなど避難指示解除の要件をみたしているとして、今月31日に避難指示を解除することで合意しました。

浪江町の避難指示解除は、2017年の町東部に続き6年ぶりで、帰還困難区域の避難指示解除は、昨年の葛尾村、大熊町、双葉町に続いて4例目となります。

今回避難指示が解除される地域には、329世帯897人が住民登録していますが、「準備宿泊」の制度を利用したのはわずか10世帯20人にとどまっています。

浪江町の吉田町長は、「12年が経過するなかで、避難先で新たな生活を始めた住民が多く、帰還が難しい現状だ。一方で解除される場所で農業の再生や新たな事業が始まると聞いている。避難指示解除はスタートなので復興に向けた取り組みを進めたい」と前向きに語っています。