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関東大震災から100年。火災旋風の恐怖

9月1日は1923(大正12)年に発生し、関東地方7府県で計約10万5000人の死者・行方不明者が生じた関東大震災から100年にあたります。

10万5000人のうち、約3万8000人が、現東京都墨田区の旧陸軍被服廠跡の約2万坪の狭い範囲で「火災旋風」という現象により焼死したとされています。

「火災旋風」とは、地震や山火事・空襲などにより起こる炎を伴う旋風(つむじ風)のことです。
火災旋風が発生するメカニズムは、火災が発生すると上昇気流が生じることで周りの空気が集まり、空気中の渦を巻こうとする性質によって成長し、大きな火災旋風が発生すると考えられています。

当時、揺れや火災よって、陸軍被服廠跡の2万坪の敷地に約4万人の人々が避難していました。
そこへ、火災による火の粉が竜巻のような旋風にのってやってきて、家財道具や避難者の衣服に火が付きました。この時の火災旋風は、直径約30m高さ50~200mに達し、あっという間に燃え広がった火によって多くの焼死者が出てしまいました。

関東大震災での東京市(当時)の出火地点は約130ヵ所だったとみられていますが、首都直下地震が発生した場合、東京都の想定では東京23区内で500ヵ所以上での出火と予想しています。

火災のほとんどは人間が作るものですので、出火させないことが何より重要です。「火は小さいうちに消す」ためにも、日頃から消火器を常備しておくなど、いざという時に備えておく必要があります。