脱炭素社会の実現や、地震など自然災害への対策強化を目的として、4月から建築基準法が改正され、施行しています。具体的な改正点をみていきましょう。
■4号特例の縮小
これまで小規模な木造建築物(2階建て以下、延床面積500㎡以下など)では、建築確認申請時の構造審査が省略可能でしたが、改正によりこの特例が縮小されました。具体的には「新2号建築物(木造2階建て、又は延床面積200㎡以下)」と「新3号建築物(木造平屋かつ延床面積200㎡以下)」に分類され、新2号建築物では構造計算を含む審査が必須となりました。
■構造基準の見直し
木造建築物の重量化(省エネ対策や耐震性向上のため)に対応し、壁量計算や構造耐力規定が強化されました。
■建築物省エネ法の改正
・省エネ基準適合の義務化:これまで一定規模以上の建物に限られていた省エネ基準の適合義務が、原則として全ての新建築物に拡大されました。(10㎡以下の極小建築物を除く)断熱性能やエネルギー消費量に関する基準を満たす必要があります。
・目的:2050年のカーボンニュートラル達成に向けた取り組みの一環で、建築分野でのエネルギー消費削減を加速させるため。
これらの改正で建築物の性能が向上する反面、現在高騰している建築費がさらにコストアップの要因となることは明白です。