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7月に大災害のデマの影響

2025年7月に大災害が起こるというデマが横行していますが、発端と影響を調べました。

1発端:このデマは漫画家たつき諒氏の著書「私が見た未来 完全版」(2021年、飛鳥新社)に端を発しています。この著書では、著者が見た予知夢として「2025年7月に日本とフィリピンの中間付近で海底が破裂(噴火)し、大津波が太平洋側を襲う」と記載されています。この夢を見た日が7月5日であったことから「2025年7月5日に大災害が起きる」という噂が広まりました。

同書は、1999年に刊行された初版の表紙に「大災害は2011年3月」と記載されており、これが東日本大震災と一致したとして話題に。一部で「予言が当たった」と注目され、2025年の予言も信憑性があると誤解される要因となりました。

2科学的根拠の欠如:気象庁の野村竜一長官は2025年6月13日の会見で、「現在の科学では日時・場所・規模を特定した地震予知は不可能であり、このような情報はデマ」と断言しています。
デマが広がる背景には、SNSでの感情的な投稿が拡散しやすい心理や、社会的不安(中東情勢や物価高騰など)が影響していると専門家は指摘しています。

3:噂の変形と拡散:当初は「大津波」も予知夢だったものが、SNSやYouTubeを通じて「大地震」「隕石衝突」「富士山噴火」などさまざまな説に派生。インフルエンサーや香港の風水士などが拡散に加担し、特にアジア圏で広がりました。

4デマの影響:香港や台湾、韓国などアジア諸国で日本への旅行需要が急減。特に香港では、2025年4月以降の日本行き航空券予約が前年比50%減、7月5日前後の週では83%減と報告されています。
野村総合研究所は、このデマよる経済損失が5600億円規模にも及ぶ可能性があると推定しています。