ステマとは「ステルスマーケティング」の略で、広告や宣伝であることを隠して、商品やサービスを宣伝する行為を指します。消費者に広告だと気づかれないように、例えばインフルエンサーが自然な投稿を装って製品を紹介したり、口コミを偽装したりするケースが典型的です。日本では、2023年10月1日から改正景品表示法により、ステマは不当表示として明確に規制されています。これにより、広告であることを明示しない宣伝行為は違法となり、消費者庁が取り締まりを行っています。
ステマは消費者を欺く可能性があるため、信頼性や透明性が求められる現代では特に問題視されています。広告であることを明示するために「#PR」や「広告」などのハッシュタグを使うことが推奨されています。
また、日本において選挙活動におけるステマは、公職選挙法や景品表示法の観点から違法となる可能性がありますが、具体的な違法性は状況や行為の内容に依存します。
・公職選挙法との関係
公職選挙法は、選挙運動における公平性や透明性を確保するために厳格なルールを定めています。ステマが選挙活動に関連する場合、以下の点で違法となる可能性があります。
・買収行為の禁止(公職選挙法第221条)
選挙運動に関連して、金銭や利益を提供して候補者や政党の支持を宣伝する行為は「買収」に該当する可能性があります。例えばインフルエンサーに報酬を支払って候補者を自然な投稿で宣伝させ、それを広告と明示されない場合、違法とみなされるリスクがあります。
・文書図画の規制(公職選挙法第142条、143条)
選挙運動では、配布できる文書やポスターに厳しい制限があります。SNSやオンラインでの投稿も「文書図画」に該当する場合があり、候補者や選挙事務所が関与するステマが法律に違反する可能性があります。
・虚偽事項の公表(公職選挙法第235条)
ステマが虚偽の情報や誤解を招く内容を含む場合、候補者の当選を目的とした「虚偽事項の公表」に該当する可能性があります。
・景品表示法との関係
2023年10月1日から施工された改正景品表示法により、ステマは不当表示として規制されています。選挙活動において、例えば候補者が企業やインフルエンサーに報酬を支払い、広告であることを明示せずに支持を表明させる行為は、景品表示法の「不当な表示」に該当する可能性があります。
例えばボランティアや支持者が自主的に投稿する場合、報酬がなければステマには該当しませんが、組織的な指示があると公職選挙法違反のリスクが生じます。