10月4日に行われた自民党総裁選で女性初の高市早苗候補が選出され、初の女性総裁が誕生致しました。
自民党総裁選の総括をレポートします。
■自民党総裁選2025の総括
2025年10月4日に投開票された自民党総裁選は、石破茂総裁の後継を選ぶ重要な選挙となり、党内の世代交代と政策路線をめぐる対立が鮮明に表れた歴史的な一戦となりました。以下に、経過、結果、意義、今後の展望を整理して総括します。
1. 選挙の経過と背景
・告示と候補者:9月下旬に告示され、立候補者は5名、高市早苗前経済安全保障担当相(64)、小泉進次郎農林水産相(44)林芳正官房長官(63)茂木敏充前幹事長(69)小林鷹之経済安全保障相(50)らが名乗りを上げました。石破首相の辞任表明(9月中旬)が引き金となり、党内の「安倍・菅路線継承vs
岸田・石破路線継承」のいわゆる党内保守vsリベラルの構図となりました。党員・党友約90万人を各都道府県で集計された投票総数を、党所属国会議員と同数の「党員算定票」の換算したもの(295票)と国会議員票(295票)の合計で争われました。
・争点:経済再生(賃上げ・物価高対策)外交・安全保障(日米同盟強化と中国対応)憲法改正、ジェンダー平等、地方創生が主眼。総裁選期間中、候補者の討論会では高市氏の「強い日本」路線と小泉氏の「環境・デジタル改革」が対比され、党員票では高市氏の保守層支持が目立ちました。一方、国会議員票は小泉氏の若手人気で対抗しました。
2. 投票結果
・1回目投票:高市氏183票(国会議員64、党員・党友119)小泉氏164票(国会議員80、党員・党友84)林氏134票(国会議員72・党員・党友62)小林氏59票(国会議員44、党員・党友15票)茂木氏49票(国会議員34票、党員・党友15票)で、どの候補も過半数には届かず上位の高市氏と小泉氏が決戦投票へ進みました。
・決選投票:高市氏185票(国会議員149票、地方票36票)小泉氏156票(国会議員145票、地方11票)。
高市氏が29票差で勝利し、第29代総裁に選出されました。
3. 結果の意義
・女性総裁の歴史的快挙:高市氏の当選は、自民党結党以来初の女性総裁。15日召集予定の臨時国会で首相指名されれば、憲政史上初の女性総理誕生となります。これは、党内のジェンダー多様性推進の象徴ですが、一方で保守派の「安倍路線」継承が党主流を固めた形となりました。
・世代対立の顕在化:小泉氏の善戦(2位)は、若手・改革派の台頭を示唆。高市氏の勝利は保守基盤の強さを証明しましたが、党内分裂の火種も残しました。
4. 今後の展望
・政権運営の課題:高市新総裁は「景色を変える」と就任挨拶で強調。経済安全保障強化と憲法改正推進を軸に、トランプ米大統領との日米関係再構築が急務。一方、衆参で少数与党の状態は続き、野党との連携協議が今後の政権運営のカギとなるでしょう。