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aespa紅白歌合戦出場発表の波紋

aespa(エスパ)は、韓国の4人組ガールズグループで2020年にデビュー。メンバーは韓国人2人、日本人1人、中国人一人がおり、多国籍の「アバター世界観」を武器に世界的な人気を博しています。日本でもストリーミング再生回数が億単位を記録するヒット曲を連発し、2025年にはアリーナツアーやドーム公演を予定するほどの勢いです。

しかし、2025年のNHK紅白歌合戦への初出場が発表されたことで、過去のメンバーの投稿が再燃し、大規模な反対運動に発展しました。この騒動は、歴史的トラウマをめぐる日中韓の複雑な感情を浮き彫りにし、SNSや国会まで波及しています。

■騒動の発端:2022年の「きのこ雲ランプ」投稿
・投稿内容:2022年5月、中国出身のニンニンがファン向けアプリ「Bubble」に、きのこ雲をリアルに模した卓上ライトの写真をアップロードし、「かわいいライト買ったよ~、どう?」とコメントを添えました。このライトは韓国通販サイトで「核爆発」「広島」「原子爆弾」「きのこ雲」などの説明文が明記された商品で、広島・長崎への原爆投下を連想させるデザインでした。
・当時の反応:投稿直後、英語圏や日本語圏で賛否が別れました。一部では「無知による軽率な投稿」と見なされましたが、原爆被害の記憶が鮮明な日本では「被爆者を侮辱する行為」と批判が噴出。ニンニン個人への非難が集中し、aespaのイメージに傷がつきました。

■紅白出場発表と反対運動の爆発(2025年11月)
・出場発表:11月14日、NHKが第76回紅白歌合戦の出場歌手37組を発表。aespaは白組として初出場が決定し、テーマ「つなぐ、つながる、大みそか。」に沿った多国籍グループの象徴として期待されました。
・再炎上と署名運動:発表直後、過去投稿がSNSで拡散。Xでは「#aespaの紅白出場取消しを求めます」などのハッシュタグがトレンド入りし、Channge.orgで「aespaの紅白出場停止を求めます」という署名が11月17日に開始されました。内容は「原爆を軽視する行為は、紅白歌合戦という公共の場にふさわしくない。被爆者・遺族への侮辱を許さない」というものです。署名は、12月3日には12万人超を突破しました。

■NHKと事務所の対応、そして国会での追求
・NHKの説明:NHKは取材に対し、「当該メンバーに原爆被害を軽視・揶揄する意図がなかったことを所属事務所に確認。出演は総合的に判断したと回答しました。しかし、12月3日の販売サイト調査で「広島・原爆」の明記が発覚し、矛盾が指摘されています。
・事務所の沈黙:所属事務所のSMエンターテインメントは一切コメントしていません。
「スルー対応」が更に不信を募らせています。
・国会での議論:12月、国会参院総務委員会で自民党の石井準一議員が質問。「10万人の署名があり、公共放送の信頼を失う。ガイドラインが必要」と指摘。NHKの山名啓雄専務理事は「SNS事案への事前検討を強化する」と回答しましたが、説明責任の不十分さが批判を浴びています。

最終判断はNHK次第ですが、この騒動は「文化交流の理想と現実の狭間」を象徴するとの見方もあります。