ウクライナ侵略を続けるロシアに異変が生じています。最激戦地の東部ドネツク州バフムトに参戦しているロシアの民間軍事会社「ワグネル」創設者のプリゴジン氏が、ロシア正規軍を「陣地を捨てて敗走している」と非難しました。弾薬の供給不足などでたびたび指導部にブチ切れるプリゴジン氏に、専門家は「謀反の火種」があると見ています。ロシア軍の元大佐もプーチン政権を公然と批判するなど、内紛状態に陥りつつあるとの見方もあります。
ウクライナ戦線で存在感を高め、「ポストプーチン」の見方もあったプリゴジン氏ですが、ここにきて指導部批判を繰り返しています。11日には、弾薬供給の約束が果たされていないとして、バフムト撤退の可能性を改めて示しました。
プーチン政権批判は、別のところからも噴出しました。ロシア軍元大佐のイーゴリ・ギルキン氏らが創設した民間団体「怒れる愛国者クラブ」が12日、モスクワで記者会見し、ウクライナ侵攻は停滞していると批判しました。異論が封じられているロシアで公然とした政権批判は異例です。
ギルキン氏は、昨年2月から続く侵攻でロシア軍の戦いぶりを「受け身に回っていて、作戦の目的が達成できていない」と訴えました。プリゴジン氏についても「非合法な武装集団を操る危険な存在」と切り捨てました。
来年春の時期大統領選挙で独自候補擁立を視野に入れているとの見立てもあります。