猛暑が続く日々で、毎日のように熱中症対策の重要性が叫ばれておりますが、水分の取り方で危険な場合もあるようです。
□水中毒
暑い中運動等で大量に汗をかいた後に、大量の水だけを飲んだ場合、汗や尿によって体内の塩分が放出されているため、血液中の塩分濃度が急激に低下し、「低ナトリウム血症」の状態になることがあります。これを「水中毒」と呼びます。
「低ナトリウム血症」の症状は、ナトリウムが減るスピードにもより異なりますが、まず疲れを感じるなどの症状から始まり、重症になると意識が保てず、呼びかけても反応しなかったり、痙攣をおこしたりすることがあります。この場合は早急に対処する必要があります。
□スポーツドリンクと経口補水液
「水中毒」にならないためにスポーツドリンクや、「飲む点滴」と言われる経口補水液が推奨されていますが、こちらも摂取の仕方次第では危険な場合があります。
市販のスポーツドリンクには、商品により若干異なりますが、500mlのペットボトル内には、おおよそ角砂糖6個~7個程度含まれています。糖尿病の方が頻繁に飲むと血糖コントロールの不良につながりますし、健康な方でも長期にわたり大量に飲むと、糖尿病を発症する恐れがあります。
市販の経口補水液500mlでは、糖分は角砂糖2個程度、塩分は約1.4g含まれています。高血圧・糖尿病・心臓疾患・腎臓疾患などのある方は、医師と相談し適切に利用されると良いでしょう。
いずれにせよ、急激や大量の摂取をせず、「こまめな」水分補給を心がけましょう。