北アフリカのモロッコ中部マラケッシュ南方で、8日大きな地震がありました。
モロッコの内務省は9日夜、この地震による死者が2012人に達したと明らかにしました。国営テレビによりますと、負傷者は少なくとも2059人に上っていると言います。
被災者の数は今後も増えていくと予想されます。
アメリカの地質調査によると、今回の地震の規模はマグニチュード(M)6.8。モロッコ周辺では1900年以降、M5以上の地震が9回起きていますが、M6超えたのは初めてで、過去120年余りで最大規模となりました。
国営テレビによりますと、マラケッシュの南隣で山岳地帯が広がるハウズ州の死者が全体の約半数を占めているそうです。被災地では、土砂崩れなどで道路が寸断され、被害状況の把握や救援活動の妨げとなっています。
専門家によりますと、モロッコ北部はアフリカプレートとユーラシアプレートの境界に近いため、地震活動が活発ですが、今回地震のあったモロッコ中部は比較的活動の頻度が低いため、建物の耐震化が進んでいない事が被害を大きくした要因の一つと指摘しています。また、地震が深夜に起きたことも被害の拡大を招いたとみています。
マラケッシュの大学病院には、被害を受けたマラケッシュ周辺の広い地域から多くの人が病院に搬送されてきており、医学生も加わり懸命に対応しているといいます。輸血用の血液も医療物資も足りず、支援を求めています。
岸田総理大臣は、「現地のニーズを踏まえて、可能な限りの支援を行う用意がある」とコメントしましたが、一日も早い支援が望まれています。