任期満了に伴い7日に行われた東京都知事選は、現職の小池百合子氏が約290万票を獲得。2位に125万票あまりの差をつける「圧勝」で3回目の当選を決めました。
投票率は60.62％と前回を大きく上回り、都民の関心の高さが表れた今回の都知事選。当初、小池氏と蓮舫氏の一騎打ちになるか思われましたが、結果をみれば、蓮舫氏はまさかの3位。前安芸高田市長の石丸伸二氏が急速に支持を拡大し、蓮舫氏を追い越す形となりました。
小池氏・蓮舫氏ともに「無所属」として立候補していましたが、小池氏は陰に、蓮舫氏は陽に、組織的な戦いを展開していました。
小池氏は、裏金問題の影響を懸念して自民・公明の支援を表立って受けることはありませんでしたが、結果的に自民支持層の7割、公明支持層の8割を固め、盤石の3選となりました。
選挙期間中、一貫して「公務優先」の姿勢を崩さなかった小池氏に対し、蓮舫氏は立憲民主党の全面的なバックアップを受けながらの選挙戦となりました。共産党も精力的にビラを配ったり田村委員長、志位議長が応援に入るなど、支援を惜しみませんでした。しかし、実際には蓮舫氏への支持は立憲・共産とも支持層の7割にとどまり、まさかの3位に沈みました。
ただ、最大の敗因は「無党派層の票を取れなかったこと」との見方が大勢です。
今回、最大勢力となった「無党派層」の支持を集めたのが、石丸氏です。SNSを駆使した選挙戦を展開。更に計200回以上の街頭演説をこなし、一気に知名度を向上させました。
結果として、「無党派層」の40％の支持を得るなどして、165万票を獲得。30代以下の投票先としては小池氏を上回りました。
無名の新人に無党派層を奪われた今回の選挙戦。自民・立憲などの既存の政党は次の衆院選に向けて「無党派層の支持獲得」という、古くて新しい課題を突きつけられています。