価格高騰を受け、政府は方針転換し「備蓄米の放出」を発表しましたが、これで米の価格は下がるのでしょうか?
政府は14日、備蓄米21万トンを放出すると発表、早ければ3月下旬にもスーパーなどに並ぶ予定です。
江藤農水大臣は、これにより「価格が落ち着くことを期待している」としていますが、楽観視できないとの指摘もあります。専門家の中には、夏以降再び米不足になる可能性があると指摘する声もあります。
なぜ米不足が続くのでしょうか?その背景には「実質的な減反政策」があるとされます。米の価格を安定させるために生産量を調整する「減反政策」は2018年に廃止。しかし、その後も国が示す「需給見通し」を基に自治体が生産量の目安を決めているとのことです。さらに、主食米からの転作に「補助金」を出すなど実質的に生産調整を行っていると指摘されています。
米の需要ギリギリの生産しかしないため、少しでも不足が生じると価格が上がったり、スーパーの棚から米がなくなったりする事につながります。
また、別の要因として言われているのが本来米を扱わない業者が買占めて「売り時を探っている」という可能性です。江藤農水大臣も「投機的なもので、マネーゲームだということは明らか」と語っています。
今後、政府の備蓄米放出の発表により、売り渋っている業者の中で早めに利益を確定しようという動きが出てくるか?それはどのタイミングで出てくるかにかかっていると言えそうです。ただ、米がマネーゲームの対象となっている以上、同じようなことを繰り返す可能性があるので、米をめぐる政策そのものを改めて考え直す時期がきていると思われます。