5月21日就任以降、小泉進次郎農林水産大臣は米価高騰対策として以下のような施策を打ち出しています。これにより、米価や農業政策にいくつかの変化が予想されます。
■主な施策とその影響
1.備蓄米の放出方法の変更
・小泉農水相は、従来の入札方式を中止し、随意契約による備蓄米放出に切り替える方針を表明しました。これにより、5キロ2,000円台での店頭販売を目指し、6月初旬にも実現する見通しです。入札では高値落札が価格高騰を招いていたため、随意契約でスーパーや外食産業に直接流通させることで、価格抑制効果を期待しています。
・影響:長野県ではすでに5キロ2,990円(税別)の例が報告されており、価格下落の兆しが見られます。ただし、需給バランスの根本的解決には至らず、一時的な効果に留まる可能性も指摘されています。
2.「無制限放出」の方針
・小泉氏は「需要があれば無制限に備蓄米を放出する」と述べ、市場のマインドを変える強い姿勢を示しています。これにより、消費者への米の供給量を増やし、価格を抑える意図があります。
・影響:短期的な価格下落が期待できる一方、過剰な放出は農家の収入減や市場の混乱を招くリスクも指摘されています。特に、農協(JA)との関係や、過去の減反政策の影響を考慮した検証が必要との声もあります。
3.スピード感と消費者目線
・小泉氏は「コメ担当大臣」を自任し、国民が求めるスピード感で結果を出すと強調。精米店視察や北海道のコメ関係者との面会を通じて、消費者目線の制作をアピールしています。
・影響:迅速な対応は消費者や小売業者に歓迎されていますが、農家や農協との調整が不十分だと、反発や政策の持続性に課題が生じる可能性があります。
小泉農水相の施策は、消費者目線の迅速な米価抑制策として一定の効果が期待できますが、短期的な施策であり、これを機会に抜本的な農政改革が求められています。