5月27日、「国家情報会議設置法」が参議院本会議で可決され、成立しました。
この法律は、政府の情報収集・分析能力を国家レベルで強化するための基盤整備を目的とします。
主なポイントは5つあります。
① 縦割りだった情報を一元化する
これまで日本は、外務省・防衛省・警察庁・公安調査庁・内閣情報調査室(内調)などが別々に情報を集めていました。そのため、「重要情報が首相官邸まで十分届かない」「省庁ごとに情報が分断されている」という課題が指摘されていました。
新法では内調を「国家情報局」に格上げし、各省庁の情報を統合・分析する司令塔にします。
② 中国・ロシア・北朝鮮などへの対応強化
近年は、台湾有事・北朝鮮ミサイル・サイバー攻撃・技術流出・産業スパイ、等の脅威が増えています。軍事情報だけでなく、半導体・AI・量子技術・経済安全保障、まで含めて分析する体制を作ろうという狙いがあります。
③ 首相直属の「国家情報会議」を新設
総理大臣を議長とする「国家情報会議」を設置します。
既存の「国家安全保障会議(NSC)」と新設の「国家情報会議」の二本柱で、収取した情報を政府の意思決定に直接反映しやすくします。
④ 同盟国との情報共有を強化
アメリカ・イギリス・オーストラリアなどは、CIA・M16・ASIS等の強力な情報機関を持っています。日本は長年「情報をもらう側」と言われることが多く、これからは「日本も情報を分析し提供できる国」を目指します。
⑤ 将来の「スパイ防止法」「対外報庁」への布石
政府与党は・スパイ防止法・外国代理人登録制度(日本版FARA)・対外情報庁、等も検討するとしています。その意味で、インテリジェンス改革の第一段階の位置付けです。
■反対派の懸念
反対した野党や一部の専門家は・プライバシーの侵害・市民監視の拡大・政治利用・情報機関の暴走などを懸念しています。そのため国会では、・国会への報告・運用の透明性・人権保護を求める付帯決議も付けられました。